カテゴリ
全体 Trials of Life 生活 Music Lover 音楽 Moviegoer 映画 Workaholism 仕事 TV Toxic テレビ Digression 余談 public-cat 街のヌコ ホワイトバンド non-daily life 非日常 IT Life ネットPC等 Witty Adult アダルト Living Things 生き物 リンク&ブログ
ライフログ
人生に影響を与えた
music
movie
最新のコメント
最新のトラックバック
以前の記事
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
街は 今日も 雨さ びしょ濡れの 心の向こうに 標識が かすんで見える 街は 今日も 雨さ 昨夜はかなり降りましたね、雨。 なんだか久しぶりのまとまった雨で。 私は雨の日があまり嫌いではない。 朝から雨が降っていて、出かける用事が無い時などは 何故かとても癒される感じがする。 『SION』 今回のMUSIC LOVERは前記で触れた彼のこと。 彼の詞は「人」と「街」がテーマになっていて、常に等身大の自己が表現されている。 『俺はその時の自分しか歌えない』 そう語る彼は、生粋の吟遊詩人。 私はこの街に来て約10年。 意を決して俳優の世界に身を置くに、自分の力で立つために一人暮らしを始めた。 思っていたよりも自分の時間が出来ることに一喜し、 思っていたよりも生活に追われることに一憂していたあの頃。 一向に前に進んでいるのか分らないまま、稽古をし、オーディションに通っていた。 フォークリフトを使えるバイトをと精肉卸を選んだが、シフトのシビアさに断念。 時間の融通が効く道路工事のガードマンを始めた。 凍てつく冬には腹に新聞紙を入れ、沸騰する夏には休み時間に公園で頭から水を浴びた。 「いったい俺は何をしてるんだろう‥」 そんな生活に途方に暮れ膿んでいた。 その日も家の近くの商店街で路面タイル貼りの警備。 昼になったが現場を離れられず、空腹のまま佇んでいると、 通りの先の方から不思議なオーラを放つ男の人が現れた。 彼だ! SIONが向こうから歩いてくる。 CDやビデオを買いあさり、足繁くライヴを観に行ったアーティストが 前からテクテクと歩いてくるのだ。 頭をクシャクシャ掻きながら、ヨロヨロと。 彼が私の近くまで来る間、ドキドキというかポンコツの私の心臓はバクバクしていた。 取り立てて誰かのファンになったことの無い私には声を掛けることは至難の業。 しかし、その当時、今考えてみればかなり凹んでいたであろう私はすがるように声を発した。 「SIONさんですよね?」 怪訝な顔をされると覚悟していたのだが、彼は顔を上げると 「ん?」 と立ち止まってくれた。 その顔は温和な日常の表情で 「ガス代払いにきたんだー」 私は軍手を外すと握手を申し出た。すると 「ああ、俺、今右手利かないんだ」 彼がその当時右手が少し不自由だったのは百も承知だった。 なのにテンパッていた私は不覚にも右手を出していた。 慌てて左手に代えると、柔らかい左手で握り返してくれたのだ。 「がんばってな」 そう自然な感じで言うと、またテクテクと通りの先へ歩いていった。 私はその時、自分がこの街に来た本当の理由が解った気がした。 あれから10年間、たまに近所で彼に出会い、「んちわ!」と挨拶をする。 酔っ払った彼や、オネーチャンと一緒に居る彼。 「メリークリスマス!」 彼の印象からは想像できない言葉も交わすことができた。 彼の日常と私の日常はこの10年間、ほんの少しだがリンクしている。 人生に起きる全ての現象は必然であると信じる。 私がココで生きていて良いと感じさせてくれるアーティスト、SION。 私にとって彼はカリスマではなく、人生の一部なんです。 決して巷で言うところのカッコよさは無く、心地よい歌声ではないかもしれない。 しかし心を動かすものが彼の楽曲には備わっているんです。
by paranoid_eyes
| 2005-08-13 11:52
| Music Lover 音楽
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||