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ちょい役はやっぱり突然連絡くるね。
撮日の10日ほど前に「仕事入るかもよ~」的な連絡が。 企業VPばかりでテレビの仕事は皆無な氷河期。 あまり期待はしなかったけど 「ピン子さんのレギュラーのだよ」と 思わずネコ耳がピンと立つ。 もともと二時間ドラマはまったく観ない上に 最近は地上波をまったく観なくなった私に 彼女のレギュラードラマの情報などあるわけもなく検索。 知り合い伝で認識のある村田雄浩さんとのコンビだと判った。 それでも3日間過ぎてもその後の連絡がなく やはり今回も大きな事務所に持っていかれたか~と思っていた矢先 「台本来たよ~」とマネージャから連絡が入り そっこー代々木の上原まで取りに向かった。 何十年も変わらない台本の質感。 企業ビデオや教育ビデオでは資料書類やファックスばかりだからね。 最初に届いた香盤表では いつもの新宿スバルビル6:15発。 自分らの撮りは17:25と、久しぶりに気の遠くなるスケジュール。 まあ、待つのが仕事みたいなものだが これだけ待たされるのは駆け出しのころのVシネマくらいだった。 次の週には撮影が決まっていて、緊張体質に拍車が架かる。 意外と早朝のロケバスに長時間だと体調狂うしね。 しかし、前日に届いた香盤表では7:30の 特急あずさ3号に乗れとの指示。 撮り順も昼過ぎに変わって、なかなかタイトなスケジュールになった。 30分前行動で新宿に着くと 領収書を取るために久しぶりにみどりの窓口へ行ったよ。 新宿から石和温泉駅で3510円也。自由席。 八王子を過ぎると山だけの景色で、黄葉紅葉がとても綺麗で とても近くに雪帽子の富士山も臨むことができた。 今回はゲストで中山忍さんなどが入られたが 私がバッティングしたのは主演のお二人とゲストの星由里子さん。 私たちの控え室だった旅館「きこり」で彼女らの撮影もあり、 私たちは衣装の割烹着姿で覗き見したりしてね。 この旅館、とても古くて小さなところだったが 中庭がとても風情があって、竹と紅葉のコントラストがとても美しかった。 昼を過ぎると私たちの撮影場所、信玄餅の桔梗屋さんの工場へと移動。 周りにはクワガタ倶楽部やかぶとむしの森などがあり いわゆる温泉場のプチ観光地といったところだった。 移動中、同じシーンに入る徳井優さん(サカイ引越センターのCMの人)は 関西圏のひとの割りには最初はまったく話さなかったけど 運転手さんが「ここの赤線は最近フィリピンブームらしいっすよ」と話を振ると 「いいですな~」と饒舌に。 「クワガタ倶楽部とかありますよ!」などと私が教えると 「挟まれたいねぇ~」とか「カブトムシに持ち上がられたいねぇ~」など 男同士のバカ話で一気に車内が和んだ。 工場に着くとADさんやAPさんが口々に 「信玄餅の詰め放題イベントとかあるらしいっすよ」と言ってくる。 やはり二時間ドラマは意外とゆる~い感じの現場なのかなと 少しだけ緊張もやわらぐ。 久々にメイクをきちんとしてもらって、 最近はドーランは使わず普通のファンデーションなのね、と メイクさんの指先が気持ち良い。 工場で働くひとや工場見学のおばちゃんなどに混ざって現場に向かう。 撮影が順調なのか、穏やかなスタッフさんたちとそれぞれに挨拶。 ピン子さんたちが入る前になるべく板に慣れておきたかったが 私たちのシーンでピン子さんたちも当日の撮りが終わるため すぐに登場。 「早くやっちゃおうよ~」とイメージしていた女優さんとは違う彼女が居た。 昔の仕事で大女優さんに恐怖症を患った私だったので とても身構えてしまったが、彼女は撮影を仕切るタイプではなかった。 何度か自主練的に監督と動いたりしたが 私たちの緊張がすぐに伝わって「落ち着いて普通にやればいいから」と諭される。 私が徳井さんやピン子さんを案内してカメラ前に来るという動きが足され やはり緊張しいの私はテイク1にセリフをとちってしまった。 殺伐とした現場の場合、それだけで空気が張り詰めるものだが すかさずピン子さんが 「あ~やっちゃった~、し~らないっ、またこの子やるよ~、ドツボにはまるよ~」 意地悪く追い詰めるようなことを喋り始めたが その声に現場のスタッフからゲラゲラゲラと笑い声が もちろん彼女に合わせてるのもあるが、こちらが安心できる表情を皆がしていた。 再び立ち位置に戻っても 「絶対またやるからね~」とプレッシャーを架けられたが そこは腹をくくって、頭の中でセリフを繰り返す。 徳井さんも「私もイチジクの割り方を少し失敗したからよかった」と 気を遣ってくれた。 「ヨーイ、スタート」 テイク2が始まる。 頭を空っぽにして動き、入ってるはずのセリフを吐き出す。 連続ドラマのように既にレギュラーメンバーの雰囲気や結束ができてる現場は 実はゲストや飛び入りはとてもプレッシャーを感じる。 ましてや格下の一言セリフ俳優などは、失敗しないで当然、 なるべくその空気を乱さないよう演じ、さっさと抜けるのが理想。 ピン子さんの予想には反してテイク2はOK。 再び演技の話になるかと思ったが 彼女は背景で本当に働いているおばちゃんたちを見ながら 「一個ちょーだい!」とか「あたし餅は嫌いなのよ~」などと雑談。 さらに抱いていた印象から離れる。 それでもカメラ位置の準備などの最中には 「自然にやればいいのよ」など私たちを気遣ってもくれた。 それでも今回一番嬉しかったのは 私のセリフは二言が繋がった状態だったのでワンカットで終わり 若手の子はいくつかにカットが別れていた。 小さなことだが、やはりワンシーンの中でもカット数が多いほうが そりゃ嬉しいに決まってる。 私は背景化するのだろうな~と思っていたら 徳井さんと若手の子の2ショットのシーンでカメラマンさんが 「こっちの子も(画角に)入れるから」と言ってくれた。 もちろん仕上がりでは編集の餌食になるかもしれないが 現場で映し込みをしてくれようとする行為には感謝。 現場でのカット割りやアングルなど、 事務所の力関係やコネクションでいろいろ変わるので 一概には言えないが、画角から外そうと思えば簡単な作業、 入れ込むほうが面倒なのは事実なので、 そういった葛藤が撮り手、演じ手双方にあることも 知ってもらえるとこれ幸いかと。 このシーンが終わり、手元撮りなどを残してピン子さんたちは 早々に帰って行った。 私は他の俳優が終わるまで待機かと思ったが 「あのヴェルファイアーに乗ってください!」と指示される。 お土産などは買う時間もなく、それでもひとつ二つの買い物をして 車に乗り込もうとするとチーフADさんらしき人が走り寄りってきたので 「一発目にNG出して申し訳ない」と謝ると 「いやいや、とってもタイミング良かったですよ~」と労いの言葉を頂いた。 「あれで皆もリラックスしたし」と。 そういえば上記の仕事のときも最後にNGを出したが それでかえって場が和み、良い終わり方だったと褒められたことを思い出した。 もしかしたら私たちのシーンの時だけ偶然ピン子さんの機嫌が良かっただけで 他のシーンは意外と大変なのかも、と密かに思った。 ピン子さんが私に投げかけた 「あんたどこの子?」「×××という事務所です」 「訓練してて演技ができてもそれだけじゃダメなのよ」 その言葉の意味を今も反芻し考えている。
by paranoid_eyes
| 2013-12-01 13:20
| Workaholism 仕事
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