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こんな雨の降る夜は、映画の話でも。
私の好きな作品に『羊たちの沈黙』がある。 作品自体も秀逸なのだが、主演のアンソニー・ホプキンスの演技に圧倒される。 この数日間も寝不足になりながらシリーズ全4作品を一気に観てしまった。 一作目は日本では有名な方の女優、ジョディ・フォスター主演で、 収監されているサイコキラー「レクター博士」に助言を仰ぐというもの。 今の日本のサイコサスペンスドラマやその類の映画では この設定がこぞってオマージュされているが 映像として参考にされているのはきっとこの作品だろう。 二作目『ハンニバル』はヒロインのFBI捜査官をジョディから 『ゆりかごを揺らす手』や『妹の恋人』等のジュリアン・ムーアに交代。 実は、ギャラの交渉が折り合わなかったという理由のほかに ラストシーンでの胸の大きく開いたドレスを拒否したからだという説がある。 彼女は元々、少々偏ったウーマンリブタイプで このキャストの変更は決して間違った判断ではなく、成功したと言っていいだろう。 個人の思想が作品を台無しにしなくて良かったと思える例だ。 レクター事件の唯一の生存者である富豪役をゲイリー・オールドマンが これも魅力的なキャラクタを演じているのだが、 なぜかネット検索等でキャスト欄から省かれていることが多い。 『不法侵入』や『コップランド』で好演したレイ・リオッタが 自分の脳みそをレクター博士に料理されながら食べるシーンは さすがに地上波では大幅にカットされ、 その映像よりもその設定自体が観ている人の正常を奪ってしまう ある意味良いシーンになっている。 ただこの作品はいびつではあるがラブストーリーなのは間違いない。 このふたつの作品でハンニバルレクターという人物、 そしてこの事件たちの異様さを味わうには十分なのだが そのスピンオフとして次の二作品が公開された。 このブログでもMOVIEGOERの最初に紹介した 三作目『レッド・ドラゴン』は時系列的には『羊たちの沈黙』の直前に位置し 物語の最後のシーンも直接繋がるよう工夫されている。 捜査官とレクター博士がプロファイリングしていく犯人像は 神になろうとする男が描かれ、キーマンには盲目の女性を配置。 このふたりの関係が異様にエロティックで面白い。 そして最後の作品『ハンニバル・ライジング』は すべての物語の基礎となるべきレクター博士の幼少~青年期を描いたもの。 テイストは前記に紹介したX-MENの『ウルヴァリン』によく似ていて その設定や映像の質感までが酷似している。 あのフェイスマスクは日本の兜のセットに由来しているとか、 なぜカニバリズム(食人肉)をテーマにしているのか、 いちおうの謎解きは監督の主観にて行われているが この作品で、このシリーズが端的なトラウマによるものと勘違いされそう。 ガイド役には日本人女性が起用されているが、 これも「神秘」を加味したかったのかもしれないが 逆に少々物語をチープにそして難解にしてしまっている感が強い。 このシリーズで描かれるハンニバル・レクターの闇の部分は そんな簡単に表現できるものではない、そう思えることが この作品たちをすばらしい映画にしているのかもしれない。 猟奇的なシーンが多い作品ではあるが、 一番の見所はレクター博士とそれと相対する人物との対話のシーン。 「クラリス…」と慈愛に満ちた声色とその文学的な言いまわし、 脳みそを弄られるような視線と狂気の口元を あなたも味わってみたらいかがだろうか。
by paranoid_eyes
| 2011-02-28 22:13
| Moviegoer 映画
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